売主にメリットがない「インスペクション」紹介制度!!


平成30年4月1日より、既存住宅(中古住宅)の取引おいて、宅地建物業者との媒介契約書面に「建物状況調査」の斡旋の有無が記載されることになりました。
中古住宅の取引を仲介する不動産業者に、売主や買主に対し「建物調査制度」を紹介することを義務付けた業法です。


建物状況調査とは?

国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等・不具合の状況を把握するための調査をいいます。

国土交通省作成のパンフレットは下記アドレスで取得できます。
https://www.mlit.go.jp/common/001219899.pdf
パンフレットによる説明では「インスペクション」をすると、以下のようなメリットがあると書いています。
⓵引き渡し後のトラブル回避につながる
⓶競合物件との差別化ができる

そして、検査に問題がなければ建物「瑕疵保険」に加入できます。
問題があれば、問題個所を修復して「瑕疵保険」に加入することになります。

ここまでで、何か腑に落ちないと感じませんか?

改正法の主眼は中古住宅の流通促進だが、売り主にとって調査費用をかけて「インスペクション」をすることで、補修工事をしなければならなくなる不安や補修工事に至らなくても、多少でも欠陥個所が見つかればその分「価格の値下げ要因」になる可能性が生じるわけです。
売主は、少しでも高く売りたいと思うものですが、自ら欠陥個所を探し出す行為は避けたいのではないかと推測しますが?

買主は欠陥個所が事前に知ることができるので、買主の費用負担でも「インスペクション」をすることはできるのですが、事実上売主の承諾しなくては「インスペクション」を行うことができません。

実際にこの「インスペクション」制度は普及しているのか
法改正施行後の普及率は1%程度との新聞報道があります。

普及しない理由
1.不動産業者は、法律通りに売主・買主に「インスペクション」制度を知らせるが、手間ばかりかかり契約に結び付かないので積極的に調査を促す気がない。
2.売主も仲介業者も「インスペクション」で不具合が見つかれば物件価値が落ちてしまい成約できなくなる。
3.買主側には、契約寸前で「インスペクション」制度を知らされるケースが多い。

このままでは、この制度が浸透するとはとても思えない状況ですね!!

不動産業者の義務だけでなく、「意識改革」が浸透するような対策や売主が積極的に調査を行うような工夫が必要です。

客観的な建物の価値をどのように見るのか?

★建築後何年で償却みたいな税制の見直し
★建物価値の登録制度の構築(新築時の価値)
★補修履歴の登録制度(リフォーム後の価値)
★金融機関の建物評価制度見直し

このような制度が浸透してこそ「調査しなければ売れない」、「調査してなければ買わない」という時代は訪れない気がしますが、このブログを読んでいただいた皆さんはどう思われますか?


代表理事 破平 聖明

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